KINGDOM HEARTS 2 プレイ記録番外編その3
番外編その3。裏アンセムレポートのつづき。
レポート7
私はトワイライトタウンにたどりついた。
ハートレスが生まれるとき、心が離れた魂と肉体は別の存在としてこの世に生まれ落ちる。ハートレスとは異なって意思を持ち、思考する”それ”はやはり世界に混乱をもたらす存在のようだ。
奴らは皮肉をこめて、存在しないもの”ノーバディ”と自称する。
多くのノーバディは人の姿を失っている。だが強い心の持ち主から生まれたノーバディはわずかに外見が変化するだけで人の姿をとどめている。
裏切者たちも、人の姿をとどめたノーバディとなり、XIII機関を作って何らかの研究を進めているという。
私は機関の目的を探るべく、彼らのうち6人が集う地、忘却の城へ向かうことにした。
レポート8
私はゼアノートたちの動向と奴らの周辺ばかりに気を取られすぎていたようだ。
ハートレスの脅威から光の世界を守る戦いが終わり、ゼアノートのハートレスは滅ぼされた。
だが世界はいまだ脅威に満ちている。世界の敵と戦う手段を突き止めねばならない。
私は”忘却の城”に侵入した。機関はここで記憶に関する実験を行っており、被験者であるナミネは特異な能力を備えているようだ。
今日この城にさらなる来訪者があった。アンセムを倒したキーブレードの勇者”ソラ”とその仲間たち。そして地下深くに現れた闇の匂い。
レポート9
ソラたちは機関を倒し、ナミネを救出した。
ナミネはカイリの心が肉体を離れた際に生まれたノーバディである。彼女はプリンセスであったためハートレスは存在しない。心に闇を持たないカイリからはハートレスは発生せず、消え去るはずの肉体も光の世界にとどまった。
つまりナミネは、心を失った証であるハートレスも、ノーバディに新生する媒介となる肉体も欠落した極めて不安定な存在であり、それゆえカイリとしての記憶もとどめていない。肉体を離れたカイリの心がソラの心の奥へ隠れたことも要因のひとつであろう。
すなわちナミネとは、ソラの心に直接干渉したカイリの分身であり、だからこそソラや、ソラにつながる心を持つ者たちの記憶を操れたのではないだろうか。
レポート10
忘却の城で記憶を失ったソラは本来の記憶を取り戻すために眠りについたが、それにはかなりの時間を要するものと思われた。
より安全な場所でソラを保護するために、ナミネを説得し、眠るソラをトワイライトタウンへ移して守ることにした。
私はひとつの仮説に至った。ナミネが特異なノーバディとして生まれたのは、かつてソラが自らの身にキーブレードを振るい、ソラとカイリの心が同時に肉体を離れたときだと思われる。ナミネは、カイリのノーバディとして生じた。だがノーバディとしてあるために用いた媒介は、ソラの肉体と魂だった。
レポート11
忘却の城でかつての友と再会したが素性を明かすことはできなかった。彼は闇の世界で戦っていた。おそらく”トラヴァースタウン”から闇の世界に入ったものと思われる。
忘却の城と同じく、あの街は光と闇の狭間の世界だ。ハートレスに心を奪われて失われた世界の欠片が集まって生じた世界。世界の消滅からかろうじて脱出できた人々がたどり着く場所。
新たな協力者、リクもまた闇の回廊から帰還を果たした。彼は無二の親友であるソラのためなら協力を惜しまないと約束してくれた。
実はソラの記憶の再生が遅れている。そこでリクに、もうひとりのソラ、ソラのノーバディを連れてくるように頼んだ。
私が目的を達成するためには光の世界を飛び回り、XIII機関を倒すキーブレードの勇者が必要なのだ。
レポート12
例外を除き、ノーバディたちは人であった頃の記憶をとどめている。しかしソラのノーバディである”ロクサス”はソラの記憶を失っていた。
おそらくソラがハートレスと化していた期間が短く、その上ノーバディであるロクサスを残したまま心を取り戻して人の状態に再生してしまったのが原因であろう。
どうやらロクサスはナミネに似た存在のようだ。ロクサスはソラのノーバディであったが、ハートレス化したソラが、彼自身の心でなくカイリの心を媒介として人へと再生したため、取り残されてしまったのではないだろうか。
現在ソラの記憶の再生が遅れているのは、ロクサスが欠け落ちたままであるからだと考えられる。彼をデータ化し、ソラへ還元せねば。しかし機関の追跡が迫っている。
ひとまずトワイライトタウンのすべてをデータ化し、ソラの記憶に”世界のコピー”を形成する。そこへロクサスを移し、日々を過ごさせてソラの記憶の再生を図ろう。
レポート13
明日ソラが目覚める。私のすべてを奪ったゼアノート。奴のハートレスは世界の心を集めて形成したキングダムハーツから大いなる闇を呼び寄せようとしていたが、奴のノーバディは現在人の心を集めて形成キングダムハーツと同化を果たそうとしている。
愚かな弟子だ。
ひとつだけ謎が残っている。城の地下に出現した扉をゼアノートはどうやって開いたのか?
リク。すべてが終わったら、ソラとあの島に帰れることを心から願っている。
できることなら私も”輝ける庭”へ帰りたかった。
王よ。わが友よ。私が記した真実の記憶が、いずれ君の目にふれると信じている。君とまた楽しく語らいたかった。復讐にとりつかれた愚かな私を許してほしい。
以上です。
賢者アンセム、心に干渉してはいけないとわかっていたはずなのにトワイライトタウンをあんなことにしたのはやっぱり許せないな。でも最後、ロクサスに心から謝ってたし、レポート13は遺書みたいやし、無の世界でずっとひとりだったなんて復讐に囚われてしまってもおかしくなかったよね。悲しくてかわいそうな人です。
KH2おしまい!